エリザベス・フェラーズ『ひよこはなぜ道を渡る』

トビー&ジョージ、最後の事件

ひよこはなぜ道を渡る (創元推理文庫)

ひよこはなぜ道を渡る (創元推理文庫)

あらすじ

 旧友のジョンに請われて、彼の屋敷を訪れたトビー・ダイク。
 屋敷でトビーが目にしたのは、書斎で事切れているジョンの姿だった。
 部屋には弾痕や血痕、争ったあとまである。ところが、警察によって判明したジョンの死因は「自然死」だった……

感想

 トビーとジョージのコンビもこの作品が最後とのこと。
 で、事件の内容だが、誰もいない家で「殺人なしの死体」と「死体なしの殺人」が見つかるという発端自体は悪くない。しかし、解決の大部分は早い段階で明かされてしまうのがもったいないところか。
 むしろ登場人物のアリバイ崩しがメインになるのだが、ラストでほんのちょっとしたところからスルスルと犯人を特定するのは上手い。
 欠点は各人のアリバイを調査する関係上、中盤がややごたついてしまうことか。★★★★☆