クレイグ・ライス『マローン殺し』
ジェイクとヘレン出せよおおおおお
マローン殺し―マローン弁護士の事件簿〈1〉 (創元推理文庫)
- 作者: クレイグライス,Craig Rice,山田順子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1997/01
- メディア: 文庫
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「マローン殺し」
なぜか殺されたことになっているマローン(笑)。犯人当てとしてはともかく、事件の展開は面白い。
「邪悪の涙」
冷たく悲しい作品。ミステリとしては少々アンフェアだが、最後の一撃が非常によくできている佳作。
「胸が張り裂ける」
サンテッスン『密室殺人傑作選』で読んだので、これは再読。なぜ再審を受け入れられた囚人が自殺したのか。その理由の謎解きが上手い。
「永遠にさよなら」
ラジオ局の喧騒の描写が上手い。その中にトリックを潜ませるのは、ラジオ脚本家でもあったライスならではだろう。
「そして鳥は歌いつづける」
二転、三転する事件、キレのある伏線、よくできた構図。本格ものの短編として見ても最上位クラスの快作。
「彼は家へ帰れない」
これもなかなか巧妙な伏線を仕込みつつ、意外な真相を見せてくれる。良作。
「恐ろしき哉、人生」
死体が消えたりお金が消えたり、なんだか変てこな事件だが、解決はシンプルながらもよくできていると思う。プロレスラーの美女というのがなかなかいい味。
「さよなら、グッドバイ!」
マローンの会った女は誰かに狙われているのか、それとも精神異常者か? という発端は面白いが、データに後出しが多すぎるような気がする。
「不運なブラッドリー」
これは……なんだかおかしな気がするのだが、いいのか?
「恐怖の果て」
マローンは完全に脇役。ヒロインの逃避行の描かれ方が面白い。
短編集としては総じてよくできているが。
ジェイクとヘレンは? ジェイクとヘレンはドコー?
というわけで★★★★☆