エリザベス・フェラーズ『細工は流々』

こういうのが好きなんだ

細工は流々 (創元推理文庫)

細工は流々 (創元推理文庫)

あらすじ

 ある晩、突然トビーを訪ねてきた娘は、事情も言わずに金を借りて去っていった。翌日、トビーは匿名の電話で彼女が殺されたことを知る。信じられないくらい無邪気なお人好しだった彼女に何があったのか?
 現場の屋敷に乗り込んだトビーたちが見つけたものは糸を使った奇妙な仕掛け。どうやら推理小説のトリックを熱心に試している奴がいるらしい。はたして、事件との関係は?

感想

 トビー&ジョージのシリーズ第三作。田舎のお屋敷で起こるさまざまな事件や怪しげな出来事。それらを少しずつ解き明かしていく過程が非常に面白い。
 真相が提示されると、コアとなる謎は意外と単純だと分かるのだが、続発する事件が面白すぎてすっかりやられてしまった。
 相変わらず癖のある登場人物たちの掛け合いも面白い。
 軽めで楽しいミステリだが、それがまたよい。非常によくできている作品だ。★★★★★