はやみねかおる『そして五人がいなくなる』

 想像以上によく練られているな

あらすじ

 夏休みの遊園地。衆人環境の中で"伯爵"と名乗る怪人が四人の子供達を次々と消してしまうという怪事件が起こる。亜衣たち三姉妹の隣人の自称名探偵・夢水清志郎はこの謎に立ち向かう……と思いきや、なぜかまったく謎解きをしようとしない……。

感想

 名探偵・夢水清志郎の初登場作品である。
 ジュニア向けとして書かれた作品だが、事件が残虐でないこと、語り口が全体的に優しいことを除けば、大人向けの本格といっても十分通用する作品だと思う。
 特に個々の消失トリックはよく練られていて、とても面白かった。プロットは夢水のヒントもあって、途中でさすがに読めてしまったが。
 夢水のキャラクターは結構好きだ。とても楽しく読めたので高評価。★★★★☆