風邪ひいたっぽい
研究室泊まりが続いたからなあ
ジェフリー・アーチャー『百万ドルを取り返せ!』
軽くて楽しいエンタメ小説
- 作者: ジェフリーアーチャー,Jeffrey Archer,永井淳
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1977/09/01
- メディア: 文庫
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あらすじ
大物詐欺師で富豪のハーヴェイ・メトカーフの策略によって、北海油田の幽霊会社の株を買わされ、百万ドルを巻き上げられた四人の男たち。
彼らは数学教授を中心に自分達の専門を生かしたプランを持ち寄り、頭脳の限りを尽くして百万ドルを取り返す。
感想
悪徳大富豪に百万ドルを騙し取られた四人の男が逆に大富豪から百万ドルを騙し取る、というよくあるコン・ゲーム小説なのだが、騙す方も騙される方も陰湿でなく、終始カラッとした雰囲気で進むので読んでいて楽しい。
個性豊かな四人がそれぞれの特技を生かして百万ドルを奪還していくのは非常に痛快だし、ラストには気の効いたオチも付いている。
軽くて楽しい小説だ。★★★★☆
伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』
謎解きの後がこの作品の真骨頂
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/12/21
- メディア: 文庫
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あらすじ
引っ越したアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。
初対面の僕に、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。
彼の目標は……たった一冊の広辞苑。
そんなおかしな話はないと思っていたのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立っていたのだ。
感想
はっきり言ってしまうと、ミステリ的には全然大したことのない作品である。
ちょっと気の利いたトリックが仕掛けられてはいるが、それもありがちと言っていいものだし、「現在」で展開する事件はちょっと風変わりだが、「二年前」の事件は平凡といってもいいくらい。
ただ、最後の解決において、物語の主役(主人公ではない)が二つの物語を繋げ、その過程で自分の変化を吐露していくシーンは胸に来た。
軽快ながらもそこで終わらせない一作だと思う。★★★☆☆
久しぶりの週末更新
読んだ本の感想が溜まってます
連城三紀彦『夕萩心中』
これで花葬シリーズ完全に復刊
- 作者: 連城三紀彦
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/06/01
- メディア: 文庫
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個人的ベストは「夕萩心中」
- 花葬シリーズ
「花緋文字」
強烈な印象を残す捻れたトリックが登場する。犯人は相当残虐なのだが、叙情的な描写が非常に上手く、それを感じさせない。
「夕萩心中」
表面に見える単純な心中事件が二転、三転する。少しずつ事件の複雑な構図と登場人物の複雑な心理が浮かび上がっていく過程は素晴らしい。
「菊の塵」
事件の構図は単純だが、大小様々な伏線が収束して一つのトリックが解き明かされる解決シーンは圧巻。
- 陽だまり課事件簿
「第一話 白い密告」
ユーモラスながらも奇妙な発端が目を引くが、解決ではその謎が綺麗に解き明かされている。
「第二話 「四つ葉のクローバー」」
連城ミステリ特有の、人物像の反転が効いている一品。
「第三話 鳥は足音もなく」 大仰な展開ながら解決は小粒なのだが、それがシリーズの雰囲気と合っていて読後感は悪くない。
シリーズによって雰囲気が大分違う。特に「陽だまり課」の方は作者の新たな一面を見た感じ。レベルは安定して高く、余裕の★★★★★
伸二も移籍じゃトップ下が不安
赤星出したの失敗じゃねえ?