ジョン・ディクスン・カー『ヴードゥーの悪魔』

ちょっと冗長かな

ヴードゥーの悪魔 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)

ヴードゥーの悪魔 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)

あらすじ

 19世紀半ばのアメリカ、ニューオーリンズ
 そこで英国領事を務めるマクレイの元へ相談が持ち込まれた。
「娘の様子がおかしい。“ヴードゥー・クイーン”に魅せられているようだ。」
 その時、警告を発するように瓶が部屋へ投げ込まれた。
 走る馬車からの人間消失、衆人環視のなかの謎めく死、続発する事件。そして彼らを嘲笑うように“パパ・ラバ”と署名された「犯行予告」が投げ込まれる……

感想

 アメリカはニューオーリンズを舞台にした三部作の第一作。
 まだ南北戦争前であることや、ヴードゥー教の跋扈などもあって、後続の二作品よりも歴史ミステリらしい雰囲気がある。
 ただミステリとしての評価は少し難しい。序盤のやや冗長な展開や探偵役がなかなか話を進めないことなどにちょっとチグハグな感じを受けた。トリックやミスディレクションは相変わらず上手いと思う。★★★☆☆