エド・マクベイン『ハートの刺青』

本格風サスペンス、か?

ハートの刺青 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-4)

ハートの刺青 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-4)

あらすじ

 四月のある日、87分署の刑事部屋で黒人の娘が泣いていた。
 彼女は詐欺に会い、なけなしの金を巻き上げられたのだ。だが、この娘は金で済んでよかった。
 同じ日にハーブ河に打ち上げられた水死体の女は結婚詐欺にかかったのだ。
 親指と人差指の間にはハートの刺青があり、死因は溺死ではなく毒殺と判明した。
 しかも数日後、別の水死体が……

感想

 87分署シリーズ第四作。今回は街中に出没する詐欺師と殺人事件の謎解きが並行して描かれる。
 今回の殺人事件の謎解きにはミステリ的なトリックもあるし(簡単だけど)、詐欺師の多彩な手口が描かれているのも面白い。
 テディが事件に巻き込まれる終盤のクライマックスは、タイムリミットサスペンス風の展開になっていて非常に緊張感があった。★★★★☆