乾くるみ『イニシエーション・ラブ』

売り方を間違えた小説

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

あらすじ

 僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて……
 就職した僕は東京に派遣されることになる。静岡のマユと東京の僕の遠距離恋愛が始まるが……。

感想

 ぶっちゃけてしまうと、これは「売り方を間違えた小説」である。
 確かに非常に面白い作品だとは思うが、これを「仰天の一作」とか「傑作ミステリー」などと紹介してはならない。警戒しながら読めばすぐに見当がついてしまう代物だからだ。ちょっと変わった恋愛小説、という感じで紹介するべき作品だろう。
 プロットは結構ユニークだし、コレ自体はよくできているとは思うけど、ねえ。★★★★☆