アイザック・アシモフ『ファウンデーション』

銀河帝国興亡史シリーズ・開幕!

あらすじ

 何万年もの間銀河を支配してきた第一銀河帝国。数学者ハリ・セルダンは、心理歴史学を作りあげ発展させることでその銀河帝国が近いうちに崩壊することを予言する。
 彼は帝国崩壊後に三万年続くはずの暗黒時代を千年に短縮するため、二つの「ファウンデーション」を設立するが……

感想

 銀河帝国の崩壊後の暗黒時代を生き抜き、第二帝国を樹立すべく奔走するファウンデーションの人々の物語。歴史心理学者ハリ・セルダンの予言から全てが始まるが、本書の大部分ではファウンデーションがいかにして力を持ち拡大していくかが描かれていく。
 一冊の間に150年も時間が経つため、特定の主人公にスポットが当たるという感じはあまりなく、大河小説のような印象を受けた。
 空間・時間のスケールの大きさにはさすがアシモフと唸らされたし、ファウンデーションが拡大していく様子は面白く読めたが、ハリ・セルダンの予言があまりに完璧すぎるため、若干緊張感に欠けるという瑕もあるか。
 二巻以降はまた流れが変わるようなので期待。★★★★☆