山口雅也『キッド・ピストルズの冒瀆』
なんとも捻れた短編集
キッド・ピストルズの冒涜―パンク=マザーグースの事件簿 (創元推理文庫)
- 作者: 山口雅也
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1997/02
- メディア: 文庫
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「「むしゃむしゃ、ごくごく」殺人事件」
不可思議な状況の解決は面白い。犯人やトリック自体にはそれほどの意外性はないか。
「カバは忘れない」
不可思議な状況の解決が犯人指摘への手掛かりと上手く結びついている。伏線もなかなか。
「曲がった犯罪」
いろいろな捻りを持った事件だが、事件の構図に隠された捻れた心理が特に印象深い。
「パンキー・レゲエ殺人」
密室の謎と童謡殺人が非常に上手く繋がっている。犯人特定の論理もよくてきている。
パラレルワールドを舞台にしながらも事件はまっとうな本格もの。それでいて解決に絶妙な捻りが加えられているのが面白い。★★★★★