ジョン・ディクスン・カー『悪魔のひじの家』
良くも悪くも年取ったなあ、と。
- 作者: ジョン・ディクスンカー,John Dickson Carr,白須清美
- 出版社/メーカー: 新樹社
- 発売日: 1998/10
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
あらすじ
「悪魔のひじ」にある館を相続したニックに招かれたガレット。折りしも館では幽霊が出没するという騒ぎが持ち上がっていた。
そんな中、ニックの叔父・ペニントンが密室で空包で銃撃されるという事件が起こる。これは幽霊の仕業なのか?
感想
事件は悪魔のひじの家を舞台に繰り広げられる幽霊騒動と密室殺人未遂。
この二つの事件のつながり方が非常に上手く、これによって真相がなかなか見えにくくなっている。
また、密室トリックは以前のカーに似たようなトリックが出てきているが、初期の作品に見られたような力技ではなく、丁寧に伏線を張り巡らせながらしっかりとした形に練り上げているのが良い。
その反面、登場人物達の会話がやや回りくどく、序盤は読み進めるのに少し苦労した。
良くも悪くもカーも歳を取って変わったんだなあ、と思わせる作品だった。
何はともあれ、これでフェル博士登場作(全23作)コンプリート。★★★★☆