岡本綺堂『半七捕物帳(一)』

正に日本版シャーロック・ホームズ

半七捕物帳 (1) (光文社文庫)

半七捕物帳 (1) (光文社文庫)

あらすじ

 岡っ引上がりの半七老人が、若い新聞記者を相手に昔話を語る。十九歳のとき、『石灯篭』事件で初手柄をあげ、以後、二十六年間の岡っ引稼業での数々の功名談を、江戸の世態・風俗を織りまぜて描く。

感想

 短編集だが、一つ一つの感想は省略。個人的ベストは「お化け師匠」
 雰囲気からなにから、日本版シャーロック・ホームズ、といった感じの作品。
 江戸時代の生活、風俗が非常に生き生きと描かれているところ、事件を語る半七老人のテンポの良い語り口、このあたりはホームズ譚に通じるところがある。
 ミステリとしてはややアンフェアだったり見え見えなのが多かったりするのもホームズそっくりだったりするのはご愛嬌。
 なにはともあれ、捕物帳という枠の中で描かれた時代物の小説として非常に優れた作品なのは間違いない。★★★★★