ピーター・ディキンスン『キングとジョーカー』
む、このオーソドックス感は……意外だ。
- 作者: ピーターディキンスン,Peter Dickinson,斎藤数衛
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 文庫
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あらすじ
現実とは異なる家系をたどった英国王室。ある朝、とんでもない騒動が持ちあがった。朝食のハムの皿に、がま蛙が隠されていたのだ!
こうして、謎のいたずら者=ジョーカーの暗躍がはじまった。罪のないいたずらは、ついに殺人に発展。王女は、ジョーカーの謎ばかりか、王室の重大な秘密に直面する……
感想
架空の英国王室で続発する「ジョーカー」によるいたずら、ということでかなり奇天烈な展開を予想していたのだが、そうでもなかった。
各々の登場人物はかなりじっくりと描き込まれてるし、王室の描写もかなりリアリティを感じる。王女の成長を描く一面もあり、設定こそ奇抜だが、展開はむしろオーソドックスで地味と言ってしまってもいいくらい。
謎解き自体はなかなか良くできていたと思う。ただ、予想の範疇からあまり外れないので、サプライズは弱いか。あと、主人公の王女が十三歳とは思えないほど大人びているのが印象に残った。★★★★☆