都筑道夫『退職刑事2』
- 作者: 都筑道夫
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2002/11
- メディア: 文庫
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短編集。個人的ベストは「遅れてきた犯人」
「遺書の意匠」
一見事件とは関係ないような伏線を巧みに回収する手腕が光る一品。
「遅れてきた犯人」
さりげなく伏線を張る技術の上手さと構図の反転の美しさが上手くマッチしている。
「銀の爪きり鋏」
消去法で犯人を推理しつつ、しっかりと爪きり鋏の謎も解き明かしている。
「四十分間の女」
実際にあった事件を元に作ったということだが、やはり条件が足りなかったのか、やや想像が多いように思う。
「浴槽の花嫁」
これもちょっとどうかな。一応論理的ではあるが、状況が異常なので解決がこれ一通りとは思えない。
「真冬のビキニ」
ちょっと想像に頼っている部分が多いか。何箇所か無理ではないかと感じるところがあった。
「扉のない密室」
密室殺人のトリックはややありがちなもの。犯人にも、特に意外性があるわけではない。
前巻に比べるとやや論理性が劣るかな。それでもいい作品はトップクラスの出来。★★★★☆