岡嶋二人『99%の誘拐』

スピーディーなクライムノベル

99%の誘拐 (講談社文庫)

99%の誘拐 (講談社文庫)

あらすじ

 末期ガンに冒された男が病床で綴った手記。それはかつて息子を誘拐された時の記憶だった。
 それは十二年後、新たな誘拐を引き起こす。コンピュータによって制御された前代未聞の完全犯罪が幕を開けた。

感想

 誘拐テーマの作品だが、ミステリというよりは犯罪小説といった方がいいような作品。
 当時のハイテクを駆使した作品ということで名高いが、むしろその使い方のユニークさが光る。
 誘拐方法のユニークさや、警察側と犯人の駆け引き、そして身代金の受け渡しの方法など、どれも考え抜かれたトリッキーさを誇る。全体にスピード感にあふれ、あっという間に読みきれるのも魅力。★★★★☆