高木彬光『ゼロの蜜月』
どことなく二時間サスペンスの匂いがする
- 作者: 高木彬光
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/12/08
- メディア: 文庫
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あらすじ
霧島三郎の妻・恭子の親友・尾形悦子。失恋に傷ついた彼女は大学助教授の塚本と知り合い、プロポーズされる。
しかし、結婚式の夜、塚本は外出したまま失踪し、翌朝死体となって発見された。
この事件に検事の霧島三郎は関わることになるが……
感想
検事・霧島三郎シリーズの一編。
本格ものというよりは恋愛を中心にしたサスペンスといった方が近いかもしれない。登場人物間の三角関係に代表される恋愛関係や、被害者にまつわる秘密が最初から最後まで通して描かれていて、これによってサスペンスを上手く盛り上げている。
解決ではある種のサプライズはあるが、伏線が張ってあるわけではない。
そういうわけで、ガチガチの本格というところからは遠いかな。最初に書いたが、なんとなく二時間サスペンスっぽい作品でもある。★★★★☆
以下、この本の短編について。
「復讐保険」
これもサスペンス系か。ただ、その割に登場人物がいまいち生彩を欠いているような気がする。ちょっとなじまなかった。