芦辺拓『探偵宣言』
どうも話の流れが悪い気がする
- 作者: 芦辺拓
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 文庫
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
「殺人喜劇の時計塔」
なんかバカミスっぽいトリック。トリック自体は面白いと思う。しかしいくらなんでもこれは気づくと思うのだが……
「殺人喜劇の不思議町」
割とこの中ではスマートな作品か。ちょっと気になる点はあるけれど、佳作。
「殺人喜劇の鳥人伝説」
どこからどう見たってバカミス。立ち止まって考えれば分かるのかもしれないが、強烈な現象を立て続けに起こしているのが面白い。
「殺人喜劇の迷い家伝説」
家屋消失もの。トリックには前例があるが、いろいろ小技を駆使して、上手く真相を隠している。
「殺人喜劇のXY」
はっきり言って微妙。ダイイングメッセージは酷いし、妙に軽すぎるくせに分かりにくい文体も合わない。
「殺人喜劇のニトロベンゼン」
あの有名なバークリー『毒チョコ』。しかし、中途半端に日本語に置き換えたのが悪かったのか、途中で飽きてしまった。ブランドの「第七の解答」の概要を知ることができたのだけが収穫。
「殺人喜劇の森江春策」
短編集としてまとめた形にしてあるが、わざわざ趣向を凝らす必要があったのかな。なんだか中途半端。
トリッキーな作品が多いが、流れがすっきりとしたものが少ないせいか、読後感が微妙。★★★☆☆