赤川次郎『三毛猫ホームズの推理』

キレのあるユーモアミステリ

三毛猫ホームズの推理 (光文社文庫)

三毛猫ホームズの推理 (光文社文庫)

あらすじ

 血を見ただけで卒倒する上に女性恐怖症の刑事・片山は、あろうことか女子大生殺害事件の捜査のため、女子大寮に張り込むことになった。
 ところが張り込みの翌日、密室殺人が起きる。片山は被害者の教授の飼い猫・ホームズと捜査を始めるが……

感想

 女子大を舞台にした売春と連続殺人と密室殺人、とかなり中身は盛り沢山。
 教師やら寮の管理人やらが揃いも揃っておかしな人物揃いで笑える。色々な事件が起きるため、筋は随分とごちゃごちゃしているが、結局バラバラのまま解決になだれ込んでしまうのが、個人的にはちょっと不満ではある。
 一部読めたところもあったが、豪快な密室トリックには見事にやられた。良くできている作品と思う。★★★★☆