下半期ベスト3

 というわけで7〜12月に読んだ本は79冊。どうみても読みすぎです、本当に(ry
 まだ感想をここに書いてないのもあるが、とりあえずベスト3の選定
上半期はこうだった

<海外作品>
1位 カーター・ディクスン『貴婦人として死す』
2位 ジェイムズ・アンダースン『血染めのエッグ・コージイ事件』
3位 パトリック・クェンティン『二人の妻をもつ男』
次点 ロバート・L・フィッシュ『シュロック・ホームズの冒険』

 1位はカーのH・M登場作。「足跡なき殺人」ものだが、トリック一発の作品ではなく、捻ったプロットや面白い仕掛けもある、非常に凝った作品。全体の雰囲気も良く、絶版になっているのが不思議なくらいの傑作。
 2位は「館もの」の快作。メイントリックのバカさが大好きだが、それだけでなく、複雑な事件を少しずつ解きほぐしていく解決シーン(しかもその過程で全員に容疑を振るという離れ業をやってのける)に脱帽。
 3位は初めて読んだパトリック・クェンティン。主人公が蟻地獄に嵌っていくように落ちていく前半、友人達の仮面をどんどん剥がしていく後半と文句なしの面白さ。そしてラストの衝撃も良い。
 次点はシャーロック・ホームズのパロディ短編集。シャーロキアンにこそ読んで欲しい、爆笑必至の傑作揃い。

<国内作品>
1位 筒井康隆ロートレック荘事件』
2位 山田風太郎『明治断頭台』
3位 仁木悦子『猫は知っていた』
次点 柄刀一『OZの迷宮』

 1位は筒井康隆のコレ。内容については何も書けないけれど、これは傑作だ!
 2位は山田風太郎の連作長編。明治初期の東京における弾正台の活躍を描いた作品。各作品とも非常にレベルが高いが、それに加えて、とんでもない趣向まで用意しているという化け物じみた作品。さらに明治に活躍した数々の偉人達を登場させているのも凄い。
 3位は初代乱歩賞受賞作。もう半世紀は経とうというのにまったく古さを感じない。生き生きした登場人物達、なんともほんわかした描写。それでいて非常にトリッキーでミステリとしての出来も素晴らしい。こういうのを古典というのですね。
 次点には柄刀一の短編集。一風変わった趣向も眼を引くが、それを除いても各作品とも不可能犯罪ものとして、非常にレベルが高い。