泡坂妻夫『湖底のまつり』
全体的に浮世離れしてますね
- 作者: 泡坂妻夫
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1994/06/18
- メディア: 文庫
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あらすじ
傷心の旅に出た香島紀子は、山間で増水した川に流されてしまう。ロープを投げ、救い上げた埴田晃二という青年とその夜結ばれる。
翌朝彼の姿は消えていた。そして最後の村祭りで賑わう神社で、紀子は晃二が一月前に毒殺されたことを知らされる……
感想
泡坂妻夫というと、『11枚のとらんぷ』などのちょっととぼけたユーモアが大好きなのだが、この作品ではユーモアは鳴りを潜め、幻想的な発端からゆるやかに話が展開していく。
細やかな描写に浸っているうちに心地よく騙される作品だが、発端の謎の扱いが少々不満。ミステリというよりは幻想を絡めた恋愛小説に近い作品だろう。小説としての出来はいいが★★★☆☆