ジェイムズ・アンダースン『血染めのエッグ・コージイ事件』

 うんうん、王道おうど……えええええ!!

血染めのエッグ・コージイ事件 (扶桑社ミステリー)

血染めのエッグ・コージイ事件 (扶桑社ミステリー)

あらすじ

 1930年代の英国。バーフォード伯爵家の荘園屋敷にテキサスの大富豪、大公国の特使、海軍少佐などが集まる。やがて嵐の夜に発生する宝石盗難事件と謎の殺人。
 犯人は屋敷に滞在している15人の中にいる。しかし手掛かりは血のついたゆで卵覆い(エッグ・コージイ)だけ……。

感想

 うははははは。これは抜群に面白い。いかにも「館もの」の本格ミステリらしく、バラエティに富んだ怪しげな客人達、不吉な前兆、嵐の中で起こる複雑な事件と王道も王道である。
 これで解決がしょんぼりだとアレなところだが、解決もずば抜けてよくできている。全員に容疑を向けながら徐々に真相を明かしていく盛り上げ方の上手さ。そしてその末に待つあまりにバカなトリック(誉め言葉)。ラストのオチもとてもいい。
 いや、これ面白いね! 大好きだ!★★★★★