ポール・アルテ『第四の扉』

第四の扉―ツイスト博士シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

第四の扉―ツイスト博士シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 幽霊屋敷での密室殺人、交霊術、脱出王ハリー・フーディニといったギミックが連発される。
 なるほど「フランスのディクスン・カー」と呼ばれるわけだ。とはいえ雰囲気はカーとはまったく違う。カーならばもっとおどろおどろしく書くようなところがずいぶんあっさりしているという印象を受けた。
 中心となる不可能犯罪は二つだが、とくに呪われた部屋での殺人が見事だ。また、事件全体の構図も捻りが効いていて非常に面白い。が、なにより凄いのはメタをもってきた趣向だろう。これには完全にノックアウトされた。これは傑作でしょう!★★★★★