はやみねかおる『亡霊(ゴースト)は夜歩く』

なんだかチグハグな感じが

あらすじ

 亜衣たち三つ子の通う虹北学園には不気味な伝説がある。
「時計塔の鐘が鳴ると、人が死ぬ」
 学園祭を前にして突然鳴り出した鐘。「亡霊」と名乗るものからのメッセージ。校庭に魔方陣が描かれ、空から机が降る……。
 それなのに名探偵・夢水清志郎は温泉旅行に行ってしまう!

感想

 どうもチグハグな印象が拭えない。学園祭を舞台に事件が起きるのだが、前作に比べるとややテンションが落ちたような気がする。
 個々のトリックや捻りの効いたプロット、手掛かりの配置などは悪くないと思うのだが、肝心の犯人の動機と行動がやや乖離してしまっているような気がする。
 学校を舞台にしたせいで事件が限定的になってしまったからか、それとも学校生活への作者の意思表明がやや強すぎたのか、全体があまり締まっていないように感じた。★★★☆☆