アイザック・アシモフ『われはロボット』
ロボット三原則が織り成す奇妙な論理
われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)
- 作者: アイザック・アシモフ,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/08/06
- メディア: 文庫
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「ロビイ」
少女とロボットの絆が描かれている。この中では異色の作品。
「堂々めぐり」
ロボット三原則によって奇妙な行動をするロボットの行動を解明する。ミステリ色の強い作品。
「われ思う、ゆえに」
自分の存在理由を求め、哲学するロボットがシュールで笑える。また、ロボット三原則の処理の仕方が非常にユニーク。
「野うさぎを追って」
ロボットのエラーの謎を追う作品。人間側が苦労する様子に笑ってしまう。オチも秀逸。
「うそつき」
心を読めるロボットの行動が非常に人間臭い。ラストにはある種の恐怖を感じる。
「迷子のロボット」
普通のロボットに紛れた危険なロボットを捜す。何度も繰り返される実験での人間とロボットの知恵比べが面白い。
「逃避」
後のアシモフの作品でも出るハイパースペース航行の最初の一編。ロボット三原則の捉え方の違いがポイントになってるが、この中では少し弱いか。
「証拠」
「彼は人間かロボットか?」という発端が面白い。短い中で何度もどんでん返しを喰らわせる解決も鮮やか。
「災厄のとき」
三原則を遵守しながらもロボットが神となる過程を見事に描いている。
ロボット三原則の生み出す奇妙な論理が非常に面白い。★★★★★