アイザック・アシモフ『ファウンデーションの彼方へ』

シリーズ続編というよりは新章という感じ

あらすじ

 設立から五百年、第一ファウンデーションは今、その力の絶頂にあった。
 野蛮な状態に逆行した周辺惑星を併合し、死にかけた帝国や恐るべき超能力を持つミュールや謎に包まれた第二ファウンデーションをも打ち負かし……天才科学者セルダンがうち立てた第二帝国建設のプランは、順調に進行しているかに見えた。
 だが、それを信じない人物がただ一人いた。

感想

 全作から30年近く間を空けて出てきた第四作。
 「セルダン・プラン」自体の否定というこれまでの展開を吹っ飛ばすようなところから物語がスタートする。
 主人公のトレヴィスは自分の直観を確かめるため、滅びたはずの第二ファウンデーション探索の旅にでる。これまでの作品とは異なり、トレヴィスと彼を取り巻く人々のドラマといった要素が強い。しかし登場人物が皆一筋縄では行かないため、登場人物間の駆け引きが非常に面白い。個人的には狸婆ことブラノ市長がいい味出してると思う。
 最後に急展開を見せ、大きく話が広がったところで終わるのだが、どうも次がラストのようだ。どうまとめるのか見もの。★★★★★