北山猛邦『「ギロチン城」殺人事件』

一言で言うと「自分には合わない作品」

『ギロチン城』殺人事件 (講談社ノベルス)

あらすじ

　人形塚に残されていた「Help」という文字を書く書記人形と女性の写真。この謎に迫るため、探偵の幕辺と学生の頼科は「ギロチン城」へ向かった。
　密室での城主斬首事件の過去、外界を拒絶した構造、過剰なセキュリティを持つ異様な館で新たな密室殺人が起こる。

感想

　うーん、どうしても物語の設定に最後まで入れなかった。
　探偵の存在、犯人の行動、『死』に名前がない意味など、説明なしで世界から浮いているものが多すぎて、なんの意味があるのかが最後まで疑問だった。
　ミステリとしては、密室殺人のトリックはそこそこ面白かったが、完全にトリックがむき出しになってしまっていて、トリックのためのトリックといった感が拭えない。物語やトリックがあまりに作り物めいていて合わなかった。★★★☆☆