ダシール・ハメット『マルタの鷹』

主人公の非情さは凄い

マルタの鷹 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

マルタの鷹 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

あらすじ

 ワンダリーと名乗る女がサム・スペードの事務所を訪ねてきた。妹の駆け落ち相手を尾行し、妹の居場所を突き止めて欲しいという。
 だが、その仕事をかってでたスペードの相棒は殺され、直後に尾行の相手も射殺された。嫌疑はスペードにかけられたが……。

感想

 サム・スペード登場作品。
 ハードボイルドといっても、チャンドラーやロスマクとは大分違う印象。感情のままに行動するのではなく、あくまで自分の利益とプライドを守るために行動するサム・スペードが以前から抱いていたハードボイルド探偵に最も近いように感じた。
 ミステリとしての出来も捻りの効いた逆転劇があったりして悪くはない。ただ肝心の鷹が勝手に出てくるのはちょっとねえ……★★★★☆