二階堂黎人『吸血の家』

実質的なデビュー作

吸血の家 (講談社文庫)

吸血の家 (講談社文庫)

あらすじ

 江戸時代から遊廓を営んでいた旧家・<久月>にもたらされた殺人予告。かつて狂死した遊女の怨霊祓いが二つの密室殺人事件を引き起こす。
 二階堂蘭子が不可能犯罪に挑戦する。

感想

 二階堂黎人の実質的なデビュー作、ということでかなり丁寧に作りこまれている印象。謎も足跡なき殺人が二つ、密室殺人が一つと盛りだくさんだし、それぞれのトリックもバラエティに富んでいて良く考えられていると思う。
 動機がいい加減なところやラストになぜか犯人と直接対決するのは作者の趣味だろうな。謎の豊富さと練りこみを買って★★★★☆