霧舎巧『十月は二人三脚の消去法推理』
なんていうか、バランス悪すぎ
十月は二人三脚の消去法推理 私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス)
- 作者: 霧舎巧
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/06/08
- メディア: 新書
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あらすじ
十月。霧舎学園の体育祭が迫っていた。
琴葉と棚彦は体育祭実行委員に据えられるが、準備真っ最中の本番一週間前、校内で不審火が発生する。
その後も連続して発生する不審火とパソコン教室のメールに残された「十月十日の殺人」。琴葉達は不安を残したまま体育祭当日を迎える。
感想
いろいろ疑問の多い作品。
これは消去法推理なのか? というのがまず第一の疑問。まあ確かに消去法で消していってはいるのだが、消し方がやや雑であることや、ごまかしているが最後の一人まで消去しきれていないことが気になった。
もう一つの疑問が前振りの長さ。この作品は「伏線→事件→推理」の順番で物語が展開するが、序盤の伏線を仕込む段階で本筋とは関係ないものをぶち込みすぎてグダグダになっている。多少中盤ダレてでも序盤から事件を起こした方がすっきりしたと思う。
先月の事件への言及の多さや琴葉達の行動にややおかしな点があるのもマイナス。
中心の仕掛け自体は悪くないけれども、周りの配置が良くない。低めの★★★☆☆