ルシアン・ネイハム『シャドー81』

うは、こりゃ強烈だ!

シャドー81 (新潮文庫)

シャドー81 (新潮文庫)

あらすじ

 ロサンゼルスからハワイに向かうボーイング747ジャンボジェットがハイジャックされた。姿なき犯人は、旅客機の背後について姿を見せない完全武装のジェット戦闘機であった。
 犯人は人命と引き換えに巨額の金塊を要求し、あらゆる公共機関をパニックに陥れる。

感想

 非常にユニークなハイジャックが展開される。
 まず、戦闘機で航空機の背後についてハイジャックするという発想に度肝を抜かれた。普通ハイジャックといえば機内で行なうだけに、これは斬新。
 中盤は犯人と警察・軍隊などの対決が中心になるが、犯人の色々な要求に警察、軍隊、果てはホワイトハウスまでが引きずり回される様子はどこかシュールな様相を呈してきて笑える。
 ところがこのハイジャック劇にどっぷり浸っていたら、終盤で思いもよらない所から一撃を喰らってしまった。いや、意外意外。
 ミステリかどうかというと激しく疑問ではあるが、素晴らしく面白い一冊だ。★★★★★