法月綸太郎『一の悲劇』
これはアレか
- 作者: 法月綸太郎
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 1996/07/01
- メディア: 文庫
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あらすじ
「あなたが私の息子を殺したのよ!」
山倉史郎は狂乱する冨沢路子の前に絶句した。
それは悲劇的な誤認誘拐だった。
犯人は山倉の子と誤って、同級生の路子の子を拉致したらしい。しかも身代金授受に山倉は失敗、少年は骸となって発見された。
感想
読み終わって某海外作品に雰囲気が似てるなと思ったのだが、あとがきを読むと実際にそれを意識していたらしい。
それはともかく、発端となる誘拐事件の緊迫感や中盤の主人公の奮闘と悪夢のような日々、そして終盤、雪崩のように主人公の世界が壊れていく様子が非常に生々しく描かれている。
ミステリとしても、プロットを上手く捻ることで、シンプルながらも読者の盲点を上手く突いている。全てが終わった後のラストが非常に鮮やか。★★★★★