森博嗣『そして二人だけになった』

どんがらがっしゃ〜ん

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)

あらすじ

 全長4000mの海峡大橋を支えるコンクリートの内部に作られた「バルブ」に科学者、医師など六人が集まった。
 ところが、プログラムの異常で完全な密室と化したバルブ内で次々と殺人が起こる。一人、また一人とメンバーは減っていき……。

感想

 読み終わって真っ先に頭に浮かんだのが「どんがらがっしゃ〜ん」というしようもない擬音語だったのだが、実際そんな作品である。
 状況設定はかなり奇怪だが、一度ミステリとして完全に、それも見事に解決させながら、そこからとんでもない方向に飛んでいってしまう。途中の時点での解決が非常に良くできていただけに、なんでわざわざこんなことやったのかまったくもって謎である。
 ただ途中の解決は本当によくできているので★★★★☆