エラリー・クイーン『エラリー・クイーンの事件簿1』

あのニッキーとは別人らしい。

 中編二編が収められている。映画の脚本が元になっているらしい。ニッキー・ポーターが出てくるが、「あの作品」のニッキーとは明らかに別人で、どうも番外編の匂いが強い。
「消えた死体」
 「健康の家」という状況が奇抜。プロットは某作の焼き直しだが、展開がスピーディーで軽い感じになっている。
ペントハウスの謎」
 怪しげな小道具が上手く機能しているかというと疑問だが、解決における論理や引っかき傷の謎の解決はよくできている。
 どちらも悪くないが、小粒でいまいち物足りない。★★★☆☆