松本清張『砂の器』

なるほど、松本清張の代表作といわれるわけだ

砂の器(上) (新潮文庫)

砂の器(上) (新潮文庫)

砂の器(下) (新潮文庫)

砂の器(下) (新潮文庫)

あらすじ

 東京・蒲田駅で男の扼殺死体が発見された。被害者の訛りと「カメダ」という言葉を手掛かりにした捜査も失敗に終わり、捜査本部は解散するが、刑事の今西は一人、執拗に事件を追い続ける。
 やがて、彼の執念に応えるように少しずつ意外な事実が判明し始める……

感想

 警察小説の白眉といっていい傑作。
 身元不明の死体を巡って延々と続く捜査や、細い糸を少しずつたぐっていくように犯人に一歩ずつ迫っていく主人公の刑事の捜査に非常にリアルで面白い。
 ミステリとしても、しっかりとしたトリックや思わぬ仕掛けが用意してあったり、捜査から得られた断片的な情報を組み合わせていって見事な推理を導き出したりと良くできていると思う。★★★★★