ディクスン・カー『亡霊たちの真昼』

ニュー・オーリンズが舞台の歴史?ミステリ?

亡霊たちの真昼 (創元推理文庫 (118‐23))

亡霊たちの真昼 (創元推理文庫 (118‐23))

あらすじ

 1912年10月、作家のジム・ブレイクはニュー・オーリンズに向かった。下院議員候補で同名のクレイ・ブレイクを取材するためだ。だが、出発直後からジムの周りには不可解な事件が起こり、クレイも脅迫を受けていた。
 そして、事態はついに殺人事件に発展する。しかしそれは、自殺としか思えないような状況であった……。

感想

 ニュー・オーリンズ三部作の二作目だが、歴史ものというには最近すぎるか。といっても当時の社会の様子は生き生きと描かれている。馬車と自動車が共存していたりするのが面白い。
 話の大部分がロマンスと陰謀に当てられていて、あまり本格ミステリという感じはしない。一応不可能犯罪はあるが、トリックも分かりやすいし。
 まあ全体としては楽しんで読めた。★★★☆☆