芦辺拓『グラン・ギニョール城』
黄金時代万歳! って感じで
- 作者: 芦辺拓
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/04/28
- メディア: 文庫
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あらすじ
欧州の城・グラン・ギニョール城に招かれた名探偵ナイジェルソープ。客の間には緊張が漂い、嵐の夜に惨劇が起こる……
弁護士・森江春策が遭遇した事件の手掛かりである結末のない探偵小説『グラン・ギニョール城』はやがて現実を侵食し始める。虚実が織り交ざった事件を森江はいかに解きほぐすのか?
感想
この作品はとにかく小説の『グラン・ギニョール城』に尽きる。
まさに黄金時代の一品、といった感じの凝り方がもの凄い。いかにもなクローズドサークルの設定と舞台、魅力的な不可能犯罪、捻りの効いた真相は非常に面白い。
今回は現実の方では事件らしい事件は起きないまま進行するが、それでも終盤では一転して怒涛の展開を見せてくれる。作中小説と現実の事件の融合も良くできていると思う。
しかしなんといっても『グラン・ギニョール城』だ。黄金時代万歳! ★★★★★