ダシール・ハメット『デイン家の呪い』

だんだこりゃ? 妙な作品だ。

デイン家の呪 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 236)

デイン家の呪 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 236)

あらすじ

 発端は科学者レゲット氏の家で起きた宝石盗難事件だった。ところが探偵コンチネンタル・オプの調査中にレゲット氏が自殺してしまう。オプは綿密な捜査から、夫人のアリスを窃盗犯にして夫殺しの犯人と名指しする。アリスの自殺で事件は解決したかのように見えたのだが……

感想

 一体なんなんじゃこりゃ、というのが正直な感想。序盤は「それなんてハメット版『Yの悲劇』?」と突っ込みたくなるような出だしだが、その事件が終結すると今度は怪しげな新興宗教の事件。さらにそれが解決するとまた別の事件が起きる。
 終盤に二転、三転するのは面白いが、事件が拡散しすぎてはちゃめちゃだったり、最後に明かされる真相があまりに怪しげだったりと、突っ込みどころを挙げればきりがない。が、読んでて結構面白かったのも確か。しかし評価するなら低めの★★★☆☆