アイザック・アシモフ『黒後家蜘蛛の会5』
これが最終巻(涙)
- 作者: アイザックアシモフ,Isaac Asimov,池央耿
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1990/10/19
- メディア: 文庫
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「同音異義」
このシリーズは語学と科学の雑学ネタが異様に多い。それだけ作者が雑学を溜め込んでいるということだろうが。これは語学ネタ。
「目の付けどころ」
これまた雑学ネタ。しかも科学。アシモフ得意のパターンだ。
「幸運のお守り」
この中では珍しくミステリっぽいトリックが使われている。しかも結構凝ったトリックだ。
「三重の悪魔」
知らなきゃ分からない本の題名だが、さり気なく伏線も張ってあったりしてそれなりに丁寧。楽屋落ちのネタには笑った。
「水上の夕映え」
これは素晴らしい作品。ちょっとした心理的な盲点を見事に突いている。
「待てど暮らせど」
らしいといえばらしい、そしてアンフェアだといえばアンフェアな小噺。
「ひったくり」
伏線をきっちりと回収したり、ちょっと意外な目のつけどころがあったりして面白い。
「静かな場所」
再び雑学ネタ。とはいえダーク・ホースの定義は今や常識となってるので少し古い気もする。
「四葉のクローバー」
科学系雑学ネタ。おまけに話が飛びすぎでちょっと無理矢理感が漂います。
「封筒」
これはネタが読めてしまった。日本とアメリカの文化の違いもあるので、日本人なら割と簡単に読めるのではないか。
「アリバイ」
アリバイをどうやって破ったか。一風変わったハウダニットの設定が面白い。
「秘伝」
珍しい密室もの。設定の奇抜さも目を引くし、トリックもテクニカルで丁寧に作られていると思う。
ミステリとしての出来は決して良くない。でも、これで終わってしまうと思うと寂しい一冊。
巻末の有栖川有栖の解説がいい味です。★★★☆☆