リチャード・ニーリィ『殺人症候群』

 あ〜これは読めてしまった

殺人症候群 (角川文庫)

殺人症候群 (角川文庫)

あらすじ

 生来内気で引っ込み思案のランバートと全てに積極的で自信家のチャールズ。対照的な二人は凄まじいまでの女性への憎悪で結びついていた。
 ランバートを愚弄した女性を殺したチャールズは、やがて"死刑執行人"と名乗る殺人鬼へと変貌していく……

感想

 序盤は内気なランバートと積極的なチャールズの二人の視点で物語が進むが、この二人の対照的な性格がよく描かれていて上手いと思う。また、チャールズはやがて殺人鬼となるのだが、初めは個人的な恨みや犯罪の露見を防ぐための殺人から、だんだんと狂気じみた殺人へと変わっていく。この過程がとても良かった。
 ミステリとしてだが、当時は斬新だったのだろうが、今ではさすがに読める。それだけが残念だ。★★★★☆