ディクスン・カー『死の館の謎』
カー最晩年の歴史ミステリ。
- 作者: ディクスンカー,John Dickson Carr,宇野利泰
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1975/08
- メディア: 文庫
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あらすじ
小説家ジェフ・コールドウェルは、友人デイヴの奇妙な手紙に誘われ、久しぶりに故郷ニュー・オーリンズの地を踏んだ。
デイヴは彼の祖父がイギリスから買い取った屋敷・デリーズ館に妹と暮らしている。その館には「死の館」という別名があり、過去に奇怪な事件が起きていた。
そして今、ジェフの帰郷と共に再び事件が起こる……
感想
館に隠された金塊や死を招く階段など、事件を彩る道具立てが非常に魅力的。ただ、実際に事件が起こるまでにはえらく時間がかかるのが難点。カーお得意のロマンスがあったりして飽きなかったものの、もうちょっとさっさと進めてほしかった気もする。
金塊の隠し場所は意表を突いていて非常に良かった。また、犯人の意外性もなかなかのものだったが、トリックがちょっと微妙。『火よ燃えろ!』みたいなものをやろうとして失敗したような作品。★★★★☆