横溝正史『悪魔の手毬唄』

 いつも通りの横溝正史

悪魔の手毬唄 (角川文庫)

悪魔の手毬唄 (角川文庫)

あらすじ

 岡山と兵庫の県境、四方を山に囲まれた鬼首村。金田一耕助が休暇で訪れたこの地で昔から伝わる手毬唄をなぞったような奇怪な殺人事件が起こる。金田一耕助は事件にいどむが……

感想

 山間の閉鎖的な村で手毬唄になぞらえるような連続殺人事件が起こる、といういかにも横溝正史的な作品。
 見立ての解決はちょっとしょんぼりだったが、手毬唄自体が非常によく出来ているので読んでいてとても楽しかった。犯人の意外性や伏線もよくできている。
 ただ、あまりに上手く作りすぎているせいか、ある一点に疑惑をもってしまうと割と簡単に全体のネタが割れるというのが欠点か。★★★★☆