森博嗣『冷たい密室と博士たち』

 今回は割と親しみやすい舞台でした

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

あらすじ

 同僚の誘いで低温度実験室を訪ねた犀川と萌絵。だがその夜、密室状態の実験室の中で、二人の大学院生が死体となって見つかった。被害者、犯人とも出入り不可能の空間にどうやって入ったのか? S&Mシリーズ第二作。

感想

 前作は孤島の研究所に閉じ込められた天才・四季が主人公といった感じでぶっ飛んでいたが、今回は舞台設定もそれほど特異でなく*1、ミステリとしても割とストレートな本格だった。
 密室の状況はやや複雑なのが難点だが、解決で導かれるロジックとテクニカルなトリックは非常によく出来ていると思う。萌絵や犀川の友人・喜多の推理合戦も非常に面白い。
 萌絵のキャラがなんか都合よすぎる気がするが、これはもう仕様だと思うことにするか。★★★★☆

*1:と思うのは自分が理系の大学生だからかもしれないが