リレー小説『殺意の海辺』

 中編サイズ(約100P)のリレー小説が二つ。

殺意の海辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

殺意の海辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 著者は「海辺の殺意」がジョン・ディクスン・カーヴァレリー・ホワイト,ローレンス・メイネル,ジョーン・フレミング,マイクル・クローニン,エリザベス・フェラーズ、「弔花はご辞退」がドロシイ・L・セイヤーズ,E・C・R・ロラック,グラディス・ミッチェル,アントニー・ギルバート,クリスチアナ・ブランド
「殺意の海辺」カーの出だしは悪くない(他の短編の使い回しだが)。が、その後スリラーのような展開が続き、もの凄い勢いで話が膨らんでしまって収集がつかなくなっている。ラストのフェラーズの苦労が偲ばれる作品。
「弔花はご辞退」こちらは全員女性作家という珍しいリレー(アントニー・ギルバートも女性らしい)。こちらの方がしっかりとまとまっている印象。トップのセイヤーズとラストのブランドがしっかりしている。
 どちらもリレー小説としてはなかなかの出来だが、ミステリとしては平々凡々、低めの★★★☆☆