上半期ベスト3

 数えたら今年1月〜6月に読んだ本の数は67冊。どう見ても暇人です。本当に(ry
 ……ともかく、この半年間のベスト3を選んでみた。

<海外作品>
1位 デレック・スミス『悪魔を呼び起こせ』
2位 ジル・マゴーン『騙し絵の檻』
3位 ジョイス・ポーター『切断』
次点 トマス・フラナガン『アデスタを吹く冷たい風』

 1位は密室殺人が二つ、というだけでそれ以上のものは何も出てこない。しかしそのトリックの凝ったこと! 密室ファンは絶対に読みましょう、という作品。
 2位はこれぞ「意外な真相」という作品。仮説の構築と崩壊、そして解決で明かされる驚愕のプロットの捻りが素晴らしい。主人公のホルトとヒロイン・ジャンの関係がだんだん変化していくのも楽しい。
 3位(笑)。これはもう笑うしかないトンデモバカ怪作。なるほど、ドーヴァーものの最高傑作と呼ばれるわけだ。実は伏線の張り方も結構上手かったりする。
 次点にはフラナガンの短編集を。これも傑作ぞろい。

<国内作品>
1位 山口雅也『生ける屍の死』
2位 連城三紀彦『戻り川心中』
3位 京極夏彦魍魎の匣
次点 高木彬光『人形はなぜ殺される』

 1位は多分今年のベストだろう。死者が次々甦る、というSF的設定ながらハードロジックパズラーとして見事なまでの出来栄え。ユーモアミステリとしても一級品という大傑作。
 2位は表題作他、全作品が高レベルの傑作。いずれもどんでん返しと愛憎が絡まりあった見事な構図に、さまざまな花が彩りを添える。美しい短編集だ。
 3位はおなじみ京極道の第二作。一つ一つの謎は決して難しいというわけではないが、それぞれの事件が繋がり、さらに意外な真相が暴露される瞬間の衝撃はかなりのもの。
 次点には高木彬光の作品を。人形という道具立ての使い方が美しい、トリッキーな傑作。