アーロン・エルキンズ『呪い!』

 いつも旅先で事件に巻き込まれるな。

呪い! (ハヤカワ・ミステリ文庫)

呪い! (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 スケルトン探偵、ギデオン・オリヴァーもの。マヤ遺跡の古文書に書かれていた通りの呪いが実際に起こるという、本格風味にあふれる作品だったりする……のだが、特に怪奇的な雰囲気になるわけでもなく、終始「誰が呪いに見せかけようとしたのか」が謎の中心になる。
 遺跡の発掘スタッフのキャラがいい。皮肉な男、やたら陽気な男、過去の偉人と会話する女など。アマチュアが発掘に参加しているという設定なので登場人物のやりとりが面白い。
 ミステリとしてはやや軽めだったり、中盤である程度の謎が解決してしまったりするのが少し残念だが、伏線や捻りもしっかり効いてる。肩の力を抜いて楽しめる作品だ。★★★★☆