ジョイス・ポーター『切断』
朝っぱらから凄いものを読んでしまった。
- 作者: ジョイス・ポーター,小倉多加志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1976/08
- メディア: 文庫
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この作品、かなり評価が割れると思う。人によっては駄作と言うだろうが、そうでない人は絶賛するに違いない。
かく言う僕は後者である。これは凄い!
何が凄いってこの作品、空前絶後のアホらしさを誇るのである。よくもまあこんなことを思いついたもんだと尊敬する。しかもこの思いつきを書いてしまうのが凄い。こんなこと普通は思いついても書かないって。
実は伏線が丁寧に張ってあったりするのだが、その上手さもこの解決の前では影が薄い。
間違っても人には勧められないが、一生忘れない怪作だ。★★★★★
ところで原題の"Dover and the Unkindest Cut of All"(ドーヴァーと最も残酷な切断)は解説によるとシェイクスピア劇「ジュリアス・シーザー」(今はユリウス・カエサルか)でシーザーがブルータスに殺される場面での科白によるらしい。が、読み終わってから題名を見ると正直笑いが止まらない。やばい。