クレイグ・ライス『セントラル・パーク事件』

セントラル・パーク事件 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

セントラル・パーク事件 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 七年前、高額の保険金をかけられたまま失踪したピジョン氏が保険金が下りる直前になって戻ってきた。ビンゴとハンサムの二人はピジョン氏を誘拐して、保険金の分け前を取ろうとする。しかし、脅迫する当の相手が殺されたのを皮切りに、次々と殺人に出くわすはめに。
 マローンシリーズのように飲んだくれてはいないが、この二人もとても面白い。どうにかして一山当てようと奮闘するのだが、何かするたびにドツボにはまる二人のドタバタぶりが楽しい。25万ドルを夢見ながら、日々の生活のために生活を切り詰めたり、誘拐したピジョン氏に好意を持ってしまい、自分に「俺達は彼の命を守ってるんだ」と言いきかせて良心をなだめたりするのもおかしくて笑ってしまう。
 肝心のミステリとしての出来もなかなか良いと思う。
 ライスの新シリーズが読めるだけでも★★★★★