マイケル・スレイド『グール』

グール 下 (創元推理文庫)

グール 下 (創元推理文庫)

 ラヴクラフトクトゥルー神話をベースにしたサイコ・スリラー。サイコな殺人鬼たちによる殺害シーンはなかなか強烈。一方、ランド警視正たちの捜査が組織の中での圧力と共に描かれ、警察小説のような一面もあったりする。
 その他にもパンク・ロックやエロなど色々なものを詰め込んであるが、ジャンル・ミックスというほど上手く融合されているとは思わなかった。むしろごった煮、といった感じか。
 おまけにラストには本格ミステリ的な「意外な真相」の衝撃も待ち構えていたりする。とにかくヘンな作品だ。★★★★☆