アガサ・クリスティー『エンドハウスの怪事件』(創元推理文庫)

エンド・ハウスの怪事件 (創元推理文庫 105-24)

エンド・ハウスの怪事件 (創元推理文庫 105-24)

 ハヤカワミステリ文庫では『邪悪の家』。
 いかにもクリスティーといった感じの作品だった。怪しげな人達がたくさん出てきて皆が怪しげな行動をする中、ポワロが悪戦苦闘する。殺人は一つだけだが、登場人物の会話が中心になっていて、そこがまた面白いのでさくさく読める。解決シーンや伏線の張り方は、やはりクリスティー、と思わせる上手さ。安定した面白さである。★★★★☆
 どちらかといえば地味な作品に入りそうだが、容疑者リストを作ってみせるところなど、作者はこの作品に結構自信があったのではないか、とふと思った。