ジョイス・ポーター『ドーヴァー1』(ハヤカワミステリ)

ドーヴァー (1) (ハヤカワ・ポケット・ミステリ (967))

ドーヴァー (1) (ハヤカワ・ポケット・ミステリ (967))

 イギリスの片田舎で失踪した100キロ超のデブの女を捜索するドーヴァー主任警部の大活躍が楽しめる……人と楽しめない人がいるんだろうなあ、これは。
 まず事件に対するドーヴァーのやる気のなさが特徴的で「きっと女は殺されてる。だから死体が出るまではどうにもならん。」と言ってまともに捜査をしようとしない(苦笑)。序盤の明らかにやる気のない聞き込み捜査などはもう笑うしかない。それ以外にも、捜査が進むにつれて明らかになっていく女の性格(色情狂だとか)、尋問で証人をいじめることを楽しむドーヴァー、パシリのようにあちこちにやらされる部下のマクレガー刑事とお下品な笑いのオンパレード。
 ただその中にもしっかり伏線が埋め込まれていて、最後にきちっと解決させているのは、何気に凄いんじゃないだろうか。ただこういうのが好きじゃない人は駄目だろう。個人的には好きなので★★★★☆
 それにしてもマクレガーが不憫でしょうがない。